シン・仮面ライダーの配信開始!amazon・primevideo版をレビュー

邦画

近頃の配信スピードは異常とは思ってますが、庵野監督作品は滅茶苦茶なレベルで速いうえにprime会員無料での配信っていう大盤振る舞い。

そしてシン・仮面ライダーも配信がはじまりまして、あの話題作をご家庭で、じっくりと、おもいきり見ていける状況が整いました。

というわけで、ボクもamazon primeVIDEO版のシン・仮面ライダーをじっくり見させてもらいましたが、劇場ではワカらなかったあの場面、この場面がしっかり確認できるようになり、新たな発見が色々ありました。

シン・仮面ライダーの配信でカメオ出演の俳優陣を改めて確認した

画像引用元:東映/シン・仮面ライダー制作委員会

まず今回のシン・仮面ライダーamazon配信でまっさきにやったのがカメオ出演していた俳優さんのチェック

なにせ本作は普通に劇場で見てたらスルーしちゃうような役者さんがカメオ出演されていて「え!あの人出てたの!?」ってことが、エンドロールで初めて発覚するんですよ。

その中で一番気になってたのが、エンドロールの中に出てきた「安田顕」の文字ですよ。

そうです、水曜どうでしょうで牛乳を沢山飲んでいたりONちゃんの中に入っていたりして、なんか色々みんな思い入れが深いヤスケンさん。

そのヤスケンさんが、シン・仮面ライダーに出ていたわけですが

「え!?どこ!どこに出てたのヤスケン!!」

ってなる位ワカラなくて、後にそれが本郷の回想シーンに登場する、本郷パパが取り押さえようとした通り魔の犯人役で出演していたらしいことが判明。

「んなもんワカルかい!!」

とは思ったんですが、なんせあのシーンの犯人はすごい小さいし、そもそも何言ってるかわからないし、カメラもすごい揺れるから初見でヤスケンさんだと気がついた人が居たら凄い、相当なヤスケンファンですよあれ。

で、ようやくprimeVIDEOでの配信がはじまり、該当のシーンに来たら速攻映像をストップ!
さらに細切れ再生!音量バク上げ!などをした結果、たしかにヤスケン!しかもちゃんとセリフもあって「だったら銃よこせおらー!」と言ってるんですね。あとサンダルに靴下という、いかにもな格好で演技してました。

で、安田顕を確認した今度は仲村トオルさん。

あぶない刑事等でおなじみのあの方が、本郷父役で出演なさっていたそうなんですが、これも実は初見では気が付かず、エンドロールで「え!?出てたの!?」ってなっちゃいました。

そこで配信版でしっかり確認。ドアップで映るけれども微妙にわかりにくい!けれども仲村トオルと言われたら仲村トオル!

けれども、その前のヤスケンとのやり取りの音量レベルを上げて確認すると、声はしっかり仲村トオルなんですよね。配信版マジで有り難いです。

そして松坂桃李さんですよ・・・・本作ではK(ケイ)の声で出演なさってたらしいんですが、初回にエンドロールを見た時には

「松坂桃李・・・まって・・・いやマジでどこだった・・・居たっけ?ほんとどこにいた!?」

と混乱してましたが、あらためて聞くと確かに桃李君です。

といった具合に、劇場ではさっぱりわからなかったカメオ出演俳優の方々を改めて確認できたという意味でも、シン・仮面ライダーのprimeVIDEO版配信は結構意味がありますね。

シン・仮面ライダーの配信版ではトンネルの戦いが明るくなっている

画像引用元:東映/シン・仮面ライダー制作委員会

つづいて配信版でわかったのが、劇場ではやたら見にくいと評判だったトンネル内部の戦いをようやく確認できたことでした。

シン・仮面ライダーの評判ではこの暗いトンネル内部の戦いが「なんにも見えなくてワケわからない」「いや暗いところで戦ってるのがカッコイイ!」といった賛否両論の評価が相次いた場所だったんです。

が、まぁどっちにしても暗くて見にくい場面てのは事実だったので、そこが配信版で明るくなっているのが救い。

つまり、前より見やすくなってます。

というわけで、かなり謎だったシン・仮面ライダーのトンネルでの戦いも改めてジックりと確認できるのが嬉しいといころですね。

よく見たら色んなことをやっていた

ボクは初見では気が付かなかったですが、配信版になり画面が明るくなってやっと確認できたのが、トンネル内部でバッタオーグに本郷がライダーシザースを使っていたことです。

このシーン、かなり暗いうえにスピードが速すぎるんでボクの動体視力ではまったく目で追えなくて「いやあれシザースかな・・・シザースじゃないのかな・・・」

と思ってた所が、やっぱりライダーシザース(空中で敵のアタマを挟み込み回転してから地面に叩きつける技)をやってましたね。

それからWライダー状態になってからの戦いですが、大量発生バッタオーグたちもライダーキックしてたんですね、しかもあっちはトリプルライダーキックじゃないですか。

そのあと「ライダー投げしてたよね!」とか知り合いに言われたけど、ライダー投げしてないですね、やっぱ暗すぎてよくわからなかったのかな?

で最後のキメの時も相手のライダーキックにカウンターで合わせてのライダーキックだったのが判明。

いやー劇場でカウンターしてたのはわかったんですけど、ようやっくはっきりライダーキックへのカウンターだと判明しました。

それから、大量発生バッタオーグを葬ったあと、たぶん「黙祷」してるんですね。

おそらく同じバッタオーグたち(しかも人間には戻れない)たちに対する弔いでしょうね。

ボクはここは「そーなのかなー」とは思いつつもハッキリしてなかったんで、今回の配信版をみてはっきり黙祷していると確認できましたね。

あと意外だったのが、大量発生バッタオーグ達がずっとフルオート無限マガジン状態で撃っているMP5なんですが

そのセレクターの位置がフルオートではなくて、セミオート(単発)なんですよね。

しかもこれ、画面に映る限りほぼ全員のMP5がセミオートのままで「えウソ・・・」と驚きました。

つまりあれは、フルオートにみせかけたセミオート射撃であり、バッタオーグ達は恐ろしい速度であの連射をしていたわけですね。やっぱりショッカーは凄い!

と思って見てみるのも楽しいですし、あの庵野監督ですら銃器描写はミスるもんなんだから、みんなも銃器描写は怖くないぞ!がんがんやっちゃえ!という勇気をもらえた気もします。

配信版で改めて確認するサソリ・オーグの面白さ

画像引用元:東映/シン・仮面ライダー制作委員会

amazonでの配信で改めて確認できた部分として、やっぱり唐突に出てくるサソリオーグこと長澤まさみさんの面白さがズバ抜けてました。

てなわけで「レッツパーティー!」してたサソリオーグなんですが、ここは本作でもちょっと色が違うシーンだし、ハイテンションな長澤まさみさんオモシロすぎます。

アクションシーンもカット割りが激しいのと主観と主観が入り乱れていて劇場では何をやってるのか確認しずらかったんですが、サソリオーグが切ったり蹴ったりガンガンやってますね。エクスタシー!

と言うかサソリオーグ様、実はぼく初見の時どうやって相手を倒してるのかイマイチわからなかったんですが、彼女は右手にナイフを持っていて(たぶん毒とかあるやつ)、それでバッサリやりつつヒールキックを放っている。

つまり、意外にも左手のツメは殆ど使っていない!

むしろツメは首締め用っぽい!

それにカットごとに入ってくる「なんだかわからないグアワァっていう映像」の多くは、サソリオーグにやられる側の視点であったと再確認しましたが、どうも結構ヒドい目にあわせている感じ。

なのでサソリオーグはやはり強い!なんかパっと出てしかも最後は音声だけという扱いがヒドイ!とちょっとボクも思ってましたが、やっぱりレッツパーティーしてましたね。

シン・仮面ライダーの配信版を見て感じるアクションシーンの特殊さ

画像引用元:東映/シン・仮面ライダー制作委員会

さて、劇場では実のところ「よくわからないけどカッコイイ!」と思っていた本作のアクションシーンですが、これもようやく配信版を見ることで構造が理解できはじめました。

まーちょっとマニアックな話になるんですけど

まず第一に、全体を通してアップの絵がやたら多いのと、アクションシーンのカット割りがびっくりする位い多いことですね。

それとスーパースローも普通のスローもまるで使わない・・・っていうのが結構大きいかも。

とにかくテンポが速いと感じるのも、普通この速度でカット繋いでたら入れるだろうスローがまるで無いのが影響してます。はやいはやい。

シン・仮面ライダーのアクションシーンで特に多く見られるのが、おそらく小型のアクションカメラのようなものを使って、殴る側、殴られる側の主観視点を連続で、かつハイスピードでつなぐ方法です。

そしてアップ。

引きの絵で長く撮ってる場面が殆どなくて、ワンアクションでワンカットで繋ぐのがすごい多い。

あとは血しぶきですかね、グチャ!っていうあれ。

ここ同レベルのカメラで撮ってるワケじゃなく、若干画質も落としめかつフレームレートも違う映像で、しかもめっちゃ揺れる。グワアンって感じ。(スマホかアクションカメラ?)

で、何が写ってるのか良くわからないカットもあったんで、配信になりようやく静止画で確認しましたが、静止画にしても一瞬では良くわからない絵が多くて「え・・・なぜ?」となりました。

これは多分カメラを体に装着して撮影していたり、手持ちでサっと撮ってるせいかも。

というか、たぶん撮ってる人がプロのカメラマンではないタイプの映像が入ってますね。

つまり、とにかく被写体をしっかり映すように撮ってる映像ではない。

勢いっていうか、たぶん「迫力重視」みたいな感じかなと思ったり。

そして、殴る、殴られるをワンカットではなく2カットに殆ど分けてるどころか、3カットとかになってる所もあります。

これはかなり珍しいですね。

普通、殴った人物の動き(ふりかぶり、殴る)と殴られる方のリアクションをワンカットで収めるほうがカッコイイっていう定説があるんで、ワンカットで殴る!殴られる!を見せる映画のほうが多いです。

にもかかわらず、あえてカットをワケまくる普通のアクションとは全然真逆の魅せ方をしており、詳しく見れば見るほど変わったアクションシーンの作りをしてるなーと唸りますね。

これはきっと庵野監督のクセも多分に入っている気がしないでもない。カット割りが絵コンテとか漫画っぽくする感じ。動きをカットごとに繋いでく度合いがすごい。

こういうのタマに入れるアクションってのは見たことあるんですが、これだけ連続して入れてるのはかなり珍しい編集してるし、使う絵も変わった物が多い。

それと殺陣をあんまり入れないというか

おそらく撮ってはいるけれど、編集で見えないようにしてる感じがしました。

殴って、受けて、返してをワンカットで映すようなシーンがほぼ見られない。

パンチ一発、キック一発で全部カット割ってるっていう不思議さ。

あと仮面ライダー第零号さんとの戦いが結構最初は普通なんだけど、次第にカット割り多くなっていく感じ。

なぜここまでカットを割るのか?なんでドアップ使いまくるのか?

そして全然スロー使わない。

ふつうそこスローじゃないの?ってところも、むしろ速回しじゃないのか?って速度でカット繋げてく。

なので、シン・仮面ライダーのアクションシーンは改めて分析してみると、大変めずらしい。

いや、めずらしいを通り越して、むしろ庵野監督の意地を感じるというか。

なにかこう「もう普通のアクションとか特撮の殺陣とかゼッタいやりたくない!ぜったいやらんぞ!!」みたいな頑固さすら感じるというか・・・実に不思議ですし、勉強になりますね。

ただ、まぁ普通に仮面ライダーを含めて「殺陣の殴り合い、もうちょい引きでエイ!ヤア!トオ!とテレビシリーズみたいにやってもらっても良かったなぁ」という特撮好きな方もいらっしゃるとおもいます。

それにカットの数多すぎなのと、インサートする映像がフレームレートも違えば画質も落ちている、なおかつ何を映してるかわかりにくい映像がパンパンパン!と入っていくのは、確かに何をやってるかわかりにくいといえば、わかりにくい。これがアクションシーンでなければ気にスルこともないですが、アクションはどうしても何をやってるのかすごく目で追うので、その中で速すぎるカットと、わかりにくい絵が入っちゃってると、観客が映像を良く見ようとすればするほど混乱する可能性があります。

あ、ちなみに一番迫力あったのは、クモオーグの部下を大ぶりパンチでぶん殴るシーンで。振りかぶったハンマーパンチがヒットしていくまでをネジレながら寄るワンカット。あれ素晴らしいですね。めちゃくちゃ強そうに見える。

まーでも、この編集はスピード感がありますね。

あと、力強さみたいのも出せていると思います。

スーパースローも使わないし、ブレとかを多様してるし、なんかよくわかんないけどスゲーことをやってんぞ!みたいな感じが出てる編集方法でもあるんで。

あとは殴られて血ブシャー的なのを入れることで、やっぱパンチの力強さを出す効果はあると思うのですが・・・その映し方も独特というか、あえて荒くしてるっていうか・・・なんか不思議なリズムの映像の連続っていうか・・・変則的?みたいな、プログレ?みたいな。

なので、これは大変評価は難しい。

本当に「効果的な方法だったのか?これはアクションの凄い手法として使えるのか?」と言われると、ううんと唸るというか。

なんだろう・・・・庵野さん以外は、やらないやつ。

としか言えない!いやほんと庵野さんのアクションシーンだなー!です!

珍しい、変わってる、不思議なアクションシーンっていう印象がすごく強くて、逆に妙な魅力があるし「庵野さん何を考えてコレ撮ったんだろう・・・」ってプロファイリングしたくなっちゃうような奇妙な魅力があります。

CGのアクションシーンも謎と不思議が一杯

画像引用元:東映/シン・仮面ライダー制作委員会

さて、生身のアクションシーンが不思議なら、CGを使ったアクションのほうも結構不思議な魅力がありますね。

まず、色々言われてますが、ボクはCGのアクションシーン・・・つまり、ライダーキックなんですが・・・すごい、好き。

たしかに、シュールさもある。けれども好き。シュールさも相まって好きですね。

あと長いんですよね、蹴られてる滞空時間が。

つまり本作のライダーキックは蹴って敵に当たるまでがライダーキックじゃありませんよ!蹴ってそのまま壁とか地面に叩きつけるまでがライダーキックですよ!いいですかー!みたいな庵野さんのライダーキック講座が始まった感じがありますね!

まってください先生!あれ吹き飛んで爆発してたことが多かった気がしたんですけど違いましたか!みたいなことを言うひともいるでしょう!うん!わかるわかる!

そして、あのキックではるか上空から怒濤の勢いで突っ込んで行くのは、ボクは好きですねぇ・・・こーいうの好きなんで、多分本作の一番好きな要素かなとすら思ってます。

やっぱプラーナですごい高くまで飛ぶし、グルングルン回転するし、こりゃとんでもねぇライダーキック。空中でなんかボカボカ殴るのもチョットシュール。

ていうか、なんか全部ちょっとシュールで、たぶん人によっては笑っちゃうかもしれないんですが、ボクは好き。そういう所込みで好きですね。

それとハチオーグが高速移動して、さらに本郷もなんか高速移動してる。

というか、なんかフレーム飛んでる?みたいな動きをしてるところも、好きですね。

というか、たぶんCG使う所の多くが結構シュールとか、改めてみると「なるほど」と思うくらい、べつにリアルさ狙ってません!がありました。

だからなんですかね、ボクはCGのアクションシーンのほうが好きだし、やっぱこっちのほうが何回見ても「おーきたぞきたぞー!」ってなっちゃうんですよね、ちょっと自分が変なダケかもしれませんが。

シン・仮面ライダーの配信で再び見た最後の泥仕合は不思議と一番安心する

そして最後のいわゆる泥試合と言われてるあのシーン。

もう疲れ切ったライダーたちが、今までのハイスピード連続カット割りアクションから突如として普通の殴り合いをしだし、ついには地面に転がって罵り合う青春の河原の土手の喧嘩みたいなアレです。

どうもあの後、プロジェクトX的なシン・仮面ライダーのドキュメンタリーで結構な批判があったらしいんですが、その原因がこのラストの戦いで「段取りいらん!」「役者が考えてやって!」みたいな事をやった結果のドロ試合、っていうのを知りました。

「なるほどね、あれ役者さんが考えてやったのかぁ・・・・」

と思い、もう一度みてみると、なんかありますね・・・謎の安心感が。

いや、色々とアクションシーンを見直していった中でも、この泥試合が一番安心感があるというか、戦ってるんですね、普通に俳優さんたちが。

ああ戦ってんなぁーというのがある。なんか映像をあえてブレさせまくってるんだけど、もうそんなのいらないよ、ブレなくていいよ、俳優さんたちが、ライダーたちが、息も絶え絶えで取っ組み合いしてるんだから、たぶん一番真剣にやってるんだから、そこを見せてよ、そんなデカいブレいらないよ。

──と思う安心感のある戦いであって、うーん、悪くない、悪くないよこういうの!と思い直しちゃいましたね。

シン・仮面ライダーは面白いですね

では!改めて見たシン・仮面ライダーは面白いのか!?

っていう問題なんですが、実はボク、この映画を初見の時は「どっちでもない」だったんですよ。

なので、別に何かをネットで言うこともなかったし、映画終わったあとも、とくにそこまで何も思わなかった。ただキャラよかったなーとか、庵野監督っぽい映画だなーとか、あのライダーキックは結構味があって好きだなーとか、なんかそんなことを思ってた位いなんで。

なので、とくに批判するような事も無い。

逆に新しいブラックサンのほうが、むしろ好きなんだけど色々言いたいこがあった位でしたからね。

それに比べたら、本作は嫌いな所とかは無いです。

また、そこまでデカい期待をして見たわけでもございません。

まえのシンウルトラマンとかも見たし、シン仮面ライダーも見るかー位。

でもって、初代ライダー世代でもございません。

ただ庵野作品世代ではあったんで、台詞とかも「庵野だなー」とか、展開も「庵野だなー」とか、なんかそれくらい。

ラストも結構爽やかに終わりましたし、一文字が好きな気分だって言ってるし

「じゃあ、いいね!」

位でございます。

たぶん原作の初代仮面ライダー、とくに漫画のほうがお好きな人ほど

「なんだこれはー!」と荒れるか「めっちゃすきー!」になるかでしょうね

たぶんソレ以外のかたは、そんなに大嫌いとは思わないのかも?いや、わからないなークセが強いから、苦手な人は苦手でしょうね。

ただ、じっくり2回目を見てみると、色々な発見があって、前よりはシン仮面ライダーに興味が湧きましたよね。

配信版のシン仮面ライダーは、劇場で見たかたももう一度見ることによって、色々楽しめる作品だと感じましたね。

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